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【検証:】特別リポート附録/“富士桜”の挑戦と挫折

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富士交通の高速バス新規参入から民事再生法申請、撤退までを追う

2002年2月1日、改正道路運送法が施行され、乗合バス事業の需給調整規制廃止による参入撤退の大幅緩和が実現しました。ドル箱路線の収益を内部留保でなんとか地域交通を維持してきた既存事業者にとって、収益が見込める高速バス路線だけの新規参入等、いわゆる「クリームスキミング」(おいしいトコ取り)への懸念が高まる中、新規参入を果たした十数社のほとんどが、地域路線を中心としたいわば小幅な参入にとどまっています。
その中で、仙台を拠点とした東北各方面への路線展開の野望を示していた会社があります-1970年代から貸切バス専業だった富士交通です。満を持した形でついに2002年10月、仙台-福島・郡山線を開設、2003年12月からは郡山の桜交通と共同運行化し、2004年2月からは仙台-山形線にも進出しました。

しかし、既に同路線を運行していた既存事業者(仙台-福島・郡山線:宮城交通・山形交通・JRバス東北 仙台-山形線:宮城交通・山交バス)は指を銜えて見ていたわけでなく、増便や運賃値下げで対抗…その後公取委をも巻き込んだドロ沼へと突入してゆきました。
2004年8月、富士交通は民事再生法を申請。11月には山形線、2005年10月には福島・郡山線の運行を終了。その後2006年1月には「帝産富士交通」として再出発し、東京方面へのツアーバス運行事業者ともなっていましたが、同社は2008年末で事業廃止、会社清算に至っています。
なお、“盟友”桜交通は、単独で郡山-会津若松、白河-仙台間に路線バスを運行も長続きせず。その一方で2005年1月から子会社の旅行会社・さくら観光主催によるツアーバス「東京シティライナー」をスタート。その後仙台営業所を設置するなど事業を拡大し、現在では東京~郡山・福島・会津・仙台方面の一大ツアーバス事業者となっています。

本欄では、富士交通の高速バス新規参入から民事再生法申請、運行休止までの状況を記録し、乗合バス規制緩和黎明期の混乱とその問題点整理に資したいと考えます。

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Last-modified: 2010-09-14 (火) 14:27:53
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